《カレンダー》ユニバーサルなグットデザイン

040111.JPG普通に、ああ可愛いなと見ていたカレンダーが点字付きだった。
ある商品に、"見えない・見えにくい人の為の"という要素と"見た目がお洒落"という要素を融合させた事は非常に素晴らしいと感じた。

たとえば、弱視の母親、視力に問題ない父親、目の見えない子供が家庭に揃うとどうなるか。カレンダーを例に挙げると、文字がはっきりしたものと点字が付いたものを用意して、欲を言えば、父親の趣味であるお洒落カレンダーも必要かもしれない。
そんなふうに、それぞれの体質に最も使いやすいモノを一つずつ用意するとなるともう大変で、同じ機能を持ったモノは沢山増えてしまうしお金だってかかる。狭いニッポン置き場も無い。…そんな事をつらつら考えてみると、このカレンダーのようにごくありふれたデザインアイテムにユニバーサルな視点が取り入れられているという事実は、実感として有意義に感じるし、有り難く思う。

少し話は変わるが、色が見分けにくいという色弱体質の人間は男性20人に一人、女性は数百人に一人存在する云い、全体の割合からすると別段際だった存在ではない。特にヨーロッパなどでは色弱の遺伝子を5人に一人が持つとも云われ、これまで"異なる者"としてとらえられていたその存在は、数を知ってみると別に特別でもなんでもなく、ごく当たり前に存在する特徴の一つと云えるのである。
ただ、大切なのは、生活や環境を作り出す基準がどの"特徴"に設定されているかということ。その設定云々によりその人々は"特別な存在"にも"ありふれた存在"にもなる事ができるのだ。

ユニバーサルデザイン》とは特別な人向けに作られたデザインではなく、《できるだけ沢山の人に使ってもらえるよう考えられたデザイン》の事を指す。世界中の商品がUD規格に乗っ取れば、"特別な人"の存在はもう特別でなくなる可能性が高い。

決して簡単ではないそんな理想論の最初の一歩として、このグッドデザインなカレンダーのように身近なモノからどんどんUD仕様になっていくのは、なかなか良いことだなと思う。

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《点字付きキューブカレンダー / 2,800円》