【アイス】これで食べたい取っておきスプーン
このアイテムのデザイナー清水久和さんは《愛のバットデザイン》をテーマに様々なアイテムのデザイン活動を行っている。
昔からなじみのある、非常に完成度の高いアイテム…しかしデザイン業界からは大きく注目を浴びる事もなく世の中でそっと、しかし確実に息づいているそんなもの。
それらを独自のセンスと技術でリデザインし、世の中に送り出す…。そんなデザインワークの一環として作られたのがこのスプーンだ。
昔、駄菓子屋でカップアイスを買った時に薄紙に包まれた木製のスプーンをもらった。あれの現代版というか豪華版がこの商品なわけだが、その奇抜なアイデアとその完成度から様々な受賞歴を持ち、既にご存じの方も多いかと思う。
モノフェチとしては欲しがらないわけにはいかないこの商品。しかし、いかんせん用途が限られている。アイスクリームを食べる時だけに使うモノとしては、1000円オーバーの価格設定はちょっと高めなのだ。
もちろん製造工程やこだわり、完成度を考えるとその値段にも軽く納得はできるものの、ヘラに1000円は高いよなぁうーんうーんとモジモジ考えている間に買わず仕舞いというワケで。
しかし、多分その《それにしか使えないくせに、完成度がやたらハイレベル》というのがモノには大事なんだろう。
何にでも使えるけど何に使ってもイマイチ。より、これしか使えないけど使ってる時は至福の満足感。のほうが、気分的に嬉しいし、そういう余裕こそ豊さの証なんだと思う。
ただ、このスプーンでちょっと気になっているのが、アイスをすくった時に溶けて滑り落ちないのかという点。
固いアイスをすくうという機能と、口に入れた時の触感に関する良さについては想像済み。
ただ、金属と固形とはいえ水分であるアイスとの相性はどうなのか。
手の温度でスプーンはあたたまるだろうし、木製のさじが持つ摩擦抵抗力や、通常のスプーンが持つ湾曲はこのスプーンに無い。つまり"口に運ぶまでに溶けて落ちてしまわないのか"という点だけがちょっと気になっているのだ。
とはいえ、せっかくの鏡面加工。抵抗力をあげるために溝やテクスチャを施すわけにもいかないだろう。難しいところだ。
気になる所はあれど、やっぱり使ってみたいと言うのが本音。
とっておきのラムレーズンを、暑い夏場か真冬のコタツでヒヤっと感じながら食べてみたい。
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