【薔薇】都会の園芸ケミカル実験プランター

bara.jpg緑色は目に良いというけれど、きっと精神的にも良いんだろう。
コンクリ砂漠のまっただ中で一日パソコンと対話しているような生活をしていても、デスクに緑の小鉢を置くだけでホっと一息落ち着ける。

悪い虫はついていないか。水は足りているか。ホコリは被っていないか…。
私も現在、愛娘を見守る親父な心境で2鉢ほど育てているが、手のひらに載るほど小さな観葉植物とのプチコミュニケーションや、日々めきめき育つ様子を眺めるのが良い気分転換になり助かっている。


本来は非常にナチュラルな植物も、最近ではめっきりケミカル化が進んできている。
土を使わないハイドロカルチャー(私の鉢植えもそう)や、柔らかさを保ったまま半永久的に退色せず枯れないプリザーブドフラワー、そして今回のフィンガーローズ。

これは、ゲル状の栄養剤の中に小さな植物の苗が植えられたもので、成長過程において水も養分も、日光さえも必要としない。
屋内のデスク脇環境だけで立派に育ち、最後には小さなバラまで開花させてしまう、いわば次世代型都市型フラワーなのだ。
驚くべきはその花のサイズで、イメージは小指のツメくらいだろうか。なのにそれはしっかりバラの形をしていて、その下にはこれまたミニチュアの葉が青々と茂っている。
"偽物サイズなのに本物"というこの事実には、驚くより他にない。

容器に試験管タイプのものを使用しているからか、園芸というよりむしろもう実験培養に近い匂いがムンムンするこのアイテム。理化学実験好きの性で外観にはかなりそそられるが、そのケミカルな生態には眉を寄せずにいられない。

日光代わりの蛍光灯。
土と水代わりのゲル。
外気を禁じた無菌の試験管で、深紅のバラは完璧に美しく。

その植物のスマートかつ精巧なビジュアルに惹かれる反面、同情ばかりが募って純粋に愛せる自信がない。
所有欲と反発心で、物欲はしっかりガッチリ板挟み。

そういえば、雑貨屋でよく見かけるボトル入りの小魚もこれ系アイテムにカテゴライズされる。
欲しいんだけど、欲しくない。

生物の美しさには惹かれるけれど、インテリアとして身近に置くのがきっとだめなんだろうと思う。

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《フィンガーローズ / 2,079円 / 他の植物も有り》

より実験くさいのが好きな方には種植えから土移植まで体験できるこちらを↓
《プランタリウム / 1,800円》

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おかげさまで《こんなカンジ》に。ご協力ありがとうございました。
これでいくぶんかネット海の孤島から脱出できたかと思われます。
とはいえ、ほんとにほんとのちょっとだけですが(笑)